今回はアルファードの盗難についてです。
アルファードのみのお話ではありませんが、高級車は盗難に逢うリスクが高いです。
特に海外の需要のあるような車種はよく盗難に遭いますので注意が必要です。
トヨタ車で言えばプリウス・アルファード・ヴェルファイア・ハイエースなどがよく狙われます(プリウスは高級車ではありませんが人気車種のため、盗難率が高めです)
今回はアルファードが盗難に逢う背景と現状・対策方法などを紹介します。
盗難事件が起こる背景
自動車の盗難件数は年々増加傾向にあります。
数十年前から、車両の盗難事件は日本国内のみならず世界中で起こっていました。
特に日本国内では、昭和から平成にかけてスポーツカーの人気が急上昇したことによって10代~20代の若者による窃盗事件が社会問題となっていたという背景があります。
現代でも、確かにこのようなケースも残っていますが状況は違います。
現代のアルファードもそうですが、もともとはスポーツカーの盗難がとにかく多く、これは自動車業界に身を置く(主に業者)方であれば誰でも知っている話です。
それらの車は盗難されることによって、人気車種であることが国内外で知られることになります。
そうした背景の中でハイエースのようにスポーツカーでない車種であっても、人気車種の中には日本国内で窃盗団によって車両ごと盗まれ、海外に部品として送られるという事件が多発しました。
これは前途のスポーツカーも同じで全てではありませんが、日本国内で好まれる車種はほとんどが海外でも人気の車種です。
国によって人気車種は異なりますが、海外で需要のある車種は盗難されるという図式ができあがりました。
結論は中古車市場で需要がある車種は盗難リスクがあるということです。
もともとは地元の不良少年達が遊ぶ車やバイクが欲しくて行われていた窃盗事件ですが、いつの頃からか、時代とともにだんだんとプロの犯行になっていますので車両管理には注意が必要です。
ここまでの説明にあるように、人気車種=窃盗リスクがあります。
アルファード・アルファードハイブリッドは国内・海外問わず人気のある車種ですので常に窃盗団に狙われるということを知っておく必要があります。
日本国内で非正規ルートで盗難車が流通する場合(当然犯罪です)は別ですが、海外に窃盗団が輸出する場合には「関税」という関門がありました。
関税を正規の輸出車として通すには陸運局で輸出抹消手続きをしてその書類を入手しなければいけません。
そのため、従来は盗難車を解体して部品として海外へ送るケースが数多くありました。
しかし、ここ数年は解体の手間や盗難車であることが発覚するリスクを考えて書類を偽造するケースも増えてきています。
いずれの方法にしても、関税を通過してしまうと取り戻すことが困難となります。
まずは自己防衛をすることが非常に大事です。
盗難の手口
それでは、窃盗団はどのようにしてアルファードを盗難するのでしょうか?
車種に限らず、現代の車種は電子制御プログラムによってかなり複雑化しています。
平成初期の頃に生産された車であれば、システムさえ理解してしまえば簡単に車両ごと持って行かれてしまうものでした。
今の車では滅多にないと思いますが、インロックしてしまった際のレスキューアイテムを使用すればドアはいとも簡単に開いてしまいます。
そうすればエンジンルームを明けて配線を少し加工すれば簡単にエンジンは始動します。
原付などでよく言われる「直結」です。
窃盗慣れしている者がすれば作業開始から10分でエンジン始動も可能です。
各自動車メーカーは時代の流れによって自動車を盗難から守るためにイモビライザーを導入しました。
また、スマートキーの登場によってエンジンコンピューターとスマートキーがリンクしないとエンジンの始動ができなくなりました。
それでは、盗難はされないのか?
窃盗団もプロですので、もはやイタチごっこです。
今、問題となっているのがリレーアタックという窃盗方法です。
上記のようにスマートキーはエンジンコンピューターとリンクしています。
これは微弱な電波を送っており、それをスマートキーが受信してドアの開錠やエンジン始動を行います。
リレーアタックが行われる前の過程であれば開錠を行った跡にエンジンコンピューターに窃盗団がパソコンを繋いで無理矢理エンジンを始動するというケースもありました。
さてこのリレーアタックですが、まずは仕掛け人が運転手に近付いてこの電波を受信します。
その後、グループ間で電波を増幅させておきます。
そして最後に窃盗役が開錠とエンジン始動を行うという仕組みです。
一度エンジンを切れば再始動ができませんが、先程の説明にあったように部品としてバラバラにすることが考えられます。
社会問題にもなっており、各自動車メーカーがイモビライザーの精度を上げる努力を行っているのが現状です。
アルファードは高級車ですので、万が一にも窃盗に遭えば損害が大きい車両です。
車両保険の加入はもちろんですが、セキュリティ等の対策が必須と言えます。
盗難に対する対策
それでは、具体的にどのような対策をすればいいでしょうか?
一番効果的な対策としては、スマートキーから発する電波を遮断することです。
リレーアタック専門のカーセキュリティーも販売されていますし、セキュリティー専門ショップであれば構造から対策を行ってくれる場合もあります。
まずはセキュリティー専門ショップに相談してみましょう。
また、普段からの心掛けとして電波を発するものとスマートキーを密着させるという方法もあります。
確実に防げる方法ではありませんが、窃盗団に電波を盗まれにくくする予防にはなります。
携帯電話や時計・鍵など金属製品と密着していると正確にエンジンコンピューターからスポートキーに電波が届かない場合があります。
静電気が多く発生する冬やボタン電池の能力が低下している時に経験はありませんか?
対策としてこれを普段からワザとするというのも予防のひとつです。
まとめ
- 普段から電波を発するものとスマートキーを密着させておく(確実に防げるわけではない)
- セキュリティー専門ショップに相談する(工賃等は高額になるが部品量販店とは違う対策を行ってくれる場合もある)
今回は車両盗難の背景と手口を中心にご紹介しました。
特にリレーアタックは現在のほとんどの車種で主流のスマートキーをターゲットにしています。
高級車であるアルファードが盗難にあってはたまりません。
購入と同時に対策を考える必要があるポイントですので、是非ご検討ください。
アルファードは高級車ですのでセキュリティー会社のみならず販売店も当然認識しています。
購入前にまずは相談してみましょう。